「背中が痛くて、夜も眠れない。寝返りを打とうとすると激痛が走る……」
先日、そんな切実な悩みを抱えた30代の女性が来院されました。
場所は肩甲骨の間(背部痛)。
じっとしていても痛みがあり、睡眠もままならないというかなり辛い状態でした。
今回は、この痛みの背景にあった「体の構造」と、経過をご紹介します。
目次
なぜ「寝ていても痛い」のか? 鍵は「漏斗胸」と「胸郭」
カウンセリングを進めると、患者様には「漏斗胸(ろうときょう)」の傾向があることが分かりました。
お医者さんではないので、診断もできないし、画像検査を行えるわけでもないですが、もしかしたら、、、、という可能性をご本人にお伝えし、機会があればお医者さんでみていただくようにお話をしました。
漏斗胸とは、胸骨(胸の真ん中の骨)が内側に凹んでいる状態を指します。
実は、この構造は単に見た目の問題だけでなく、「胸郭(きょうかく:肋骨で囲まれたカゴのような部分)」の動きを制限しやすいという特性を持っています。
漏斗胸と背中の痛みの意外な関係
背中の骨(胸椎)と肋骨は、セットで動きます。
漏斗胸の影響で胸の前側が固まりやすくなると、肋骨、後ろ側にある背骨や肩甲骨周りの筋肉には、常に「引き延ばされるようなストレス」がかかり続けます。
その結果、
• 呼吸が浅くなる
• 背骨のしなりが消える
• 寝返りなどのひねり動作で激痛が走る
といった症状が出てしまいます。
このケースでは、一般的なマッサージで筋肉をほぐすだけでは不十分。「胸郭の可動性」と「全身の連動性」を再構築する必要がありました。
改善までのステップ:4回の施術プロセス
【1回目】「腕」から「背骨」へ、動きの導線をつくる
まずは、日常生活で最も使う「上肢(腕)」に着目しました。
腕の動きが背骨まで伝わっていないため、すべての負担が背中の筋肉に集中していたのです。
• アプローチ: 上肢から背骨への連動を促す調整と、硬く閉じてしまった上部肋骨の可動性を引き出しました。
• 狙い: 背中にかかる局所的なストレスを分散させること。
【2回目】(初回翌日)「頭」と「背中」をつなぐ
翌日の来院時、まだ痛みは残り、寝返りも辛い状態でした。
炎症が強い時期は、連日のアプローチが効果的です。
• アプローチ: 今回は「頭部(首)」と「背骨」の連動を強化。
• 狙い: 頭を動かした時に背中に響く痛みを抑えるため、首から背中にかけての連動したしなりを作りました。
【3回目】(初回から6日後)痛みは「2/10」へ減少
「日に日に痛みが落ちている実感がある」と、表情も明るくなってきました。
ここで一気に仕上げに入ります。
• アプローチ: 土台となる「下肢(脚)」から背骨、そして「頭」から背骨。全身がつながるように調整。さらに、漏斗胸の影響を受けやすい「横隔膜」へ直接アプローチしました。
• 狙い: 深い呼吸を可能にし、内側から胸郭を広げる力を取り戻すこと。
【4回目】(初回から11日後)痛みは「0」に
「寝返りも全く問題ありません」と嬉しい報告。
時折、少し気になる程度(0/10)まで回復しました。
• アプローチ: 良い状態を定着させるため、再度、腕と頭から背骨への連動を微調整。
• 結果: これにて、無事卒業となりました
「構造的な特徴」を知ることで、痛みは防げる
今回の症例で重要だったのは、「漏斗胸ぎみである」というご自身の体の特徴を理解することでした。胸郭の動きに制限が入りやすい体質の場合、普通の人よりも「こまめなチェックとメンテナンス」が必要です。
自分の体のクセを知っていれば、痛みが出る前に「最近、胸周りが硬いな」と気づき、セルフケアや早めの調整で対処できるようになります。
同じような悩みをお持ちの方へ
「寝ていても痛い」「寝返りが打てない」というのは、体が発している最大級のサインです。
特に、胸の凹みや猫背など、体型の特徴からくる痛みは、シップやマッサージだけでは解決しないことが多々あります。
• どこに行っても良くならない背中の痛み
• 呼吸が苦しく、背中が張っている感覚
そんな悩みがある方は、一度「全身の連動」と「胸郭の動き」を見直してみませんか?
あなたの体が本来持っている、しなやかな動きを取り戻すお手伝いをさせていただきます。

































この記事へのコメントはありません。